橋について考えていきましょう。
橋は脳幹の一部であり、中脳と延髄の間に位置しています。
今回は、その構造と各部分の働きについて、少しだけ深堀りしてみますね。
橋被蓋部
まずは橋被蓋部です。
この部分には、いくつかの重要な神経が通っています。
三叉神経(Ⅴ)
三叉神経は、感覚と運動の両方を担当する大切な神経です。
例えば、咀嚼筋を動かすことで食べ物を噛み砕くのに役立ちます。
この咀嚼筋には、咬筋、内側翼突筋、外側翼突筋、側頭筋などが含まれます。
さらに、鼓膜張筋もこの神経が支配しているので、鼓膜の張りを調整してくれます。
感覚神経としては、舌の前2/3(下顎神経の第3枝)、そして顔面全体の感覚を伝えます。
角膜反射もここでの働きの一例です。
たとえば、目に何かが近づいてきたとき、自動的に目を閉じる反応が起こります。
これは、三叉神経が橋で反応し、顔面神経を刺激して、眼輪筋が収縮することで起こります。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、要するに「目を守るための自然な反射」と覚えておけばOKです!
外転神経(Ⅵ)
この神経は運動神経だけを担当し、外眼筋の一つである外直筋を動かします。
これがなければ、目を左右に動かすのが難しくなってしまいます。
日常的に目を動かすなんて当たり前のように感じますが、こうした神経の働きがあってこそ、快適に物を見回せるんですね。
顔面神経(Ⅶ)
顔面神経は、運動神経、感覚神経、副交感神経の3つを支配しています。
顔面筋を動かすことで、笑ったり、泣いたり、顔の表情を豊かにするのに必要な神経です。
さらに、中耳にあるアブミ骨筋や舌の前2/3の味覚も担当しています。
そして、涙腺や鼻腔、副鼻腔、口腔の分泌を促す働きも持っているので、涙を流したり、鼻水を出したりするのもこの神経のおかげです。
まさに、顔全体のマルチプレイヤーですね!
★青斑核★(模試対策として覚えておこう!)
青斑核は、脳幹の橋にある小さな神経核ですが、実はとても重要な役割を果たしています。
ノルアドレナリンという興奮性の神経伝達物質を多く含むニューロンが集まっており、覚醒レベルの制御、注意の集中、ストレスへの対応、痛みの抑制、姿勢の制御など、幅広い機能に関与しています。
橋底部
最後に橋底部について触れてみましょう。
内耳神経(Ⅷ)
この神経は、平衡感覚と聴覚に大きく関与しています。
前庭神経と蝸牛神経に分かれていて、前庭神経は平衡感覚、つまりバランスを保つための情報を伝達します。
平衡斑や三半規管と呼ばれる部分がこれに関与し、頭の動きや位置を感じ取ることができます。
直線加速度や回転加速度を感知するこのシステムのおかげで、私たちは頭を動かしてもバランスを保つことができるんですね。
一方、蝸牛神経は、聴覚を担当しています。
コルチ器(ラセン器)という部分が音の振動を感知し、その情報を脳へ伝達することで、私たちは音を聞くことができます。
音楽を楽しんだり、会話をしたり、こうした日常的な音の世界を支えているのも、この神経の働きです。
まとめ
橋は、私たちが日々感じ、動き、反応するために欠かせない存在です。
脳の複雑な働きを少しでも理解することで、日常生活がより豊かに感じられるかもしれませんね。