皆さん、2018年のニュースで『ガンバレルーヤのよしこ』さんの脳内に下垂体腺腫が見つかり、手術のため一時芸能活動を中止していたことをご存知ですか?
よしこさんがこの病気と闘ったことで、下垂体腺腫について関心が高まりましたね。
今日は、その下垂体腺腫について、そして視床下部や下垂体から分泌されるホルモンについて、少し詳しく見ていきましょう。
視床下部の役割
まず、視床下部ってどんな役割を果たしているかご存知ですか?
ここは、自律神経の中枢として、交感神経や副交感神経の機能を調整するだけでなく、体温調節や水分補給、食欲、性行動などの重要な機能を総合的にコントロールしています。
覚えやすくするために、
『視床下部さん、チーッス(TISS)』
なんて覚え方はどうでしょう?
Tは体温調節、Iは飲水行動、Sは摂食行動、もう一つのSは性行動のことです。
なんだか親しみが湧いてきませんか?
視床下部から分泌されるホルモン7つ
視床下部からは、以下の7つのホルモンが分泌されます:
ちなみに、ソマトスタチンについては以前の記事で取り上げているので、気になる方はそちらもチェックしてみてくださいね。
下垂体前葉(腺性下垂体)のホルモン
次に、下垂体前葉から分泌される6つのホルモンを紹介します:
- 成長ホルモン: 成長を促進し、血糖を上昇させ、タンパク質合成に関与します。
- 甲状腺刺激ホルモン: サイロキシンの分泌を促進します。
- 副腎皮質刺激ホルモン: 糖質コルチコイドの分泌を促進します。
- 卵胞刺激ホルモン: エストロゲンや精子の形成、精細管の発達を促します。
- 黄体形成ホルモン: プロゲストロンやアンドロゲンの分泌を促進します。
- プロラクチン: 乳腺の発育や乳汁分泌を促進し、排卵を抑制します。
下垂体後葉(神経内分泌)のホルモン
続いて、下垂体後葉から分泌されるホルモンは以下の2つです:
集合管についても、以前の記事で詳しく説明しているので、興味がある方はぜひご覧ください。
下垂体腺腫について
さて、下垂体腺腫の話に戻ります。
下垂体腺腫の症状は、ホルモン分泌の異常や腫瘍による局所圧迫が原因で起こることが多いです。
特に視野障害が顕著で、下垂体のすぐ上には視神経が走っており、腫瘍が大きくなると、視神経交叉を圧迫してしまいます。
その結果、両眼の外側が見えなくなる(両耳側半盲)ことがあります。
実際の見え方はこんな感じです。
どうですか?
こんなに視野が狭くなってしまいます。