呼吸器系の構造や機能を押さえよう。全肺気量の正体とは?

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1. 呼吸器系の構造を理解しよう

呼吸器系は、酸素を体に取り入れ、二酸化炭素を排出するための重要なシステムです。

まずは、その構造について見ていきましょう。

  • 上気道と下気道
    呼吸器系は、大きく上気道と下気道に分けられます。上気道は鼻腔から喉頭まで、下気道は喉頭から気管、気管支、細気管支、そして終末細気管支までの部分です。それより末梢の部分は肺実質と呼ばれ、ここでガス交換が行われます。

    • 注意: 「喉」と「咽頭」は混同しがちですが、模試では「咽頭」が問われることが多いので、要注意です!
  • 肺小葉の構造
    呼吸性細気管支が支配する領域を「肺細葉(一次小葉)」と呼び、それがさらに3〜5個集まって結合組織で仕切られたものを「肺小葉(二次小葉)」と言います。これが、酸素と二酸化炭素の交換のための基本単位です。


2. 肺の構造を細かく見てみよう

肺は、右肺と左肺に分かれ、それぞれが独自の構造と機能を持っています。

  • 肺胸膜
    肺は、壁側胸膜と臓側胸膜という2種類の胸膜に覆われています。これらの胸膜は胸膜腔を形成し、その間には少量の胸膜水(漿液)が含まれています。この構造が、肺が滑らかに動くために重要な役割を果たしています。

  • 肺の分葉


    右肺は上葉、中葉、下葉の3つの葉から成り、左肺は上葉と下葉の2つの葉から成ります。肺尖は鎖骨の2〜3cm上に位置し、肺底は第6肋骨の高さにあります。

  • 気管の構造と機能


    気管は、馬蹄形の気管軟骨に守られています。この気管軟骨は、外部からの圧力で潰れるのを防ぎます。気管は第6頸椎から始まり、第4から第5胸椎の高さで左右の主気管支に分岐します。右気管支は太くて短く、角度が狭いのが特徴で、左気管支は細くて長く、角度が広いのが特徴です。

    • 豆知識: 誤嚥した場合、異物は右気管支に入りやすいですが、これは右気管支の角度が狭く、急なためです。また、気管に達した吸気の湿度は100%!驚きですよね。
  • 気管壁(気管軟骨)の構造


    気管の壁は馬蹄形で、腹側は粘膜、気管(支)軟骨、外膜から成り、背側は気管支筋から構成されています。気管軟骨は硝子軟骨からなり、外圧から潰れるのを防ぐ役割があります。

3. 呼吸のしくみを知ろう

呼吸は、吸気と呼気のサイクルで行われていますが、これは単なる「空気の出し入れ」ではありません。

さまざまな反射や筋肉の働きが関与しています。

  • ブロイヤー・ヘーリング反射(不随意調節)
    肺が拡張する(吸気)と迷走神経の働きにより、延髄の呼吸中枢が刺激され、吸気から呼気に切り替わるようになります。これにより、吸気と呼気のサイクルが自動的に行われます。

  • 吸気筋と呼気筋
    吸気には主に横隔膜や外肋間筋、内肋間筋前部が関与し、補助的に胸鎖乳突筋や大胸筋などが働きます。呼気は主に腹筋群や内肋間筋後部が関与しています。これらの筋肉の協働により、肺の容量が変わり、呼吸が行われます。

  • 肺気量の種類


    肺には、さまざまな種類の気量が存在します。安静時における通常の換気量から、深呼吸時の最大換気量まで、多くの気量が存在します。これらを総称して全肺気量と呼びます。

  • 内呼吸と外呼吸
    内呼吸は、細胞レベルでのガス交換を指し、外呼吸は肺でのガス交換を指します。これにより、酸素が体内に供給され、二酸化炭素が排出されます。

  • 換気によるPaO2、PaCO2濃度の変化
    肺胞気や動脈血、静脈血における酸素と二酸化炭素の分圧は、換気により変化します。通常、肺胞気におけるPaO2は100Torr、PaCO2は40Torrです。動脈血ではPaO2は95Torr、PaCO2は40Torrであり、静脈血ではPaO2は40Torr、PaCO2は46Torrです。

4. まとめ:全肺気量の正体とは?

全肺気量とは、肺に入る空気の最大量のことを指します。

これには、通常の呼吸時の空気の出し入れ(換気)だけでなく、運動時や深呼吸時の空気の量も含まれます。

 

呼吸器系は、単に酸素を取り込むだけでなく、全身の酸素供給や二酸化炭素の排出を管理する重要な役割を担っています。

これらの構造と機能を理解することで、健康管理や呼吸器疾患の予防に役立てることができるでしょう。

 

健康な生活を送るために、呼吸器系の知識を深めていきましょう!