泌尿器系の基礎を理解しよう:腎臓と膀胱の働き

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こんにちは、今日は泌尿器系についてお話しします。

腎臓や膀胱は私たちの体内でどのような役割を果たしているのでしょうか?

それぞれの働きや、排尿の仕組みを分かりやすく説明していきます!

腎臓の構造とは?

腎臓は、長さ約10~12㎝重さ約150gの臓器で、右側の腎臓は第1腰椎のレベル、左側の腎臓は第12胸椎のレベルに位置しています。

腎臓は線維被膜で包まれていて、腹大動脈から約20%の血液が腎動脈を通って流れ込みます。

 

腎臓の機能

腎臓は、私たちの体を健康に保つために非常に重要な役割を果たしています。その主な機能は次のとおりです。

  • 代謝産物や毒素の排泄
  • 体液量の調節
  • 体液のイオンバランスや浸透圧の維持
  • 血液のpHの調節
  • ホルモン(レニンやエリスロポエチンなど)の分泌
  • 血漿組成の調整

 

腎臓の基本単位である腎単位(ネフロン)は、腎小体(マルピーギ小体)と尿細管から成り立っています。

腎小体は、糸球体とボーマン嚢で構成され、尿細管は近位尿細管、ヘンレ係蹄、遠位尿細管の3つの部分に分かれています。

 

腎単位の機能を簡単に説明すると、糸球体に入った血液がボーマン嚢で濾過され、近位尿細管、ヘンレ係蹄、遠位尿細管を経て再吸収が行われます。

残った水分と物質は集合管を通り、腎乳頭から腎杯、腎盂(腎盤)へと運ばれ、最終的に尿管を通って膀胱に蓄えられます。

 

再吸収の仕組み

再吸収とは、尿細管での重要な過程で、水分や栄養素が体内に再吸収されます。

例えば、近位尿細管では約80%の水分やナトリウム、カリウムが再吸収されます。

ヘンレ係蹄や遠位尿細管では、ナトリウムやカリウム、塩素が再吸収されます。

膀胱の構造と働き

次に、膀胱について見ていきましょう。

膀胱の壁は、粘膜、筋層、漿膜(外膜)の3層構造でできています。

膀胱の尿道側を膀胱底、反対側を膀胱尖と呼びます。

膀胱三角

膀胱三角とは、左右尿管口と内尿道口で形成される領域です。

この部分は、尿が排出される重要なポイントです。

尿意・畜尿反射・排尿反射のメカニズム

では、排尿のメカニズムを簡単に見ていきましょう。

尿が膀胱に溜まっていく過程と、その後の排尿の流れを理解することが大切です。

 

  1. Ⅰ期(畜尿の初期)
    尿が100~150ml程度まで膀胱に貯まる時期です。

  2. 尿意の発生
    尿意は、骨盤神経(副交感神経)の求心性線維が仙髄に入り、大脳皮質で感じ取られます。この時期は、意識的に尿意を感じ始めます。

  3. Ⅱ期(畜尿反射)
    200~400mlの尿が膀胱に貯まると、下腹神経(交感神経)が胸腰髄で畜尿反射を引き起こし、膀胱が弛緩して尿漏れを防ぎます。

随意的排尿のプロセス

  1. 前頭葉からの指令が橋排尿中枢へ伝わり、排尿抑制が解除されます。
  2. 橋排尿中枢から仙髄排尿中枢が刺激され、排尿筋が収縮します。
  3. 骨盤神経により内膀胱括約筋が弛緩し、外膀胱括約筋の随意的抑制が解除されます。
  4. 最後に、横隔膜や腹筋の収縮による腹圧が加わり、尿が排出されます。

まとめ

泌尿器系は、腎臓と膀胱を中心に、体内の老廃物や毒素を効率的に排出し、体液のバランスを保つ重要な役割を果たしています。

 

腎臓は、血液を濾過し、必要な成分を再吸収しながら尿を生成し、膀胱に蓄えます。

その後、排尿のメカニズムが働き、体外へ排出されます。これらのプロセスは、健康な体を維持するために欠かせません。

 

泌尿器系の働きを理解することで、日常生活の健康管理や異常を早期に発見する助けになるでしょう。

自分の体をしっかりと知り、健康な生活を送りましょう。