消化管の1つ、胃腸の機能と働きを細かく覗いてみよう

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消化管とは、口から食道、胃、小腸、大腸、肛門までの食べ物が通る通路のことを言います。

 

口から食道までの流れは、下記のURLで紹介していますので、参考にどうぞ。

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今日は、消化管の1つ、胃腸(胃・小腸・大腸)の機能と働きを細かく見ていきましょう。

胃の構造

  1. 噴門部: 食道と胃の接合部(噴門部は、第11胸椎左側に存在)。
  2. 胃底: 噴門より上部を胃底といいます。胃底部は横隔膜、肝臓、脾臓と接しています。胃底腺には主細胞があり、ペプシノーゲンが分泌されます。このペプシノーゲンは胃酸と反応してペプシンとなり、たんぱく質アミノ酸に分解します。
  3. 胃体: 噴門より下部を胃体といいます。
  4. 幽門部: 胃と十二指腸の接合部(幽門部は、第1腰椎右側に存在)。
  5. 幽門括約筋: 幽門部には幽門括約筋があり、十二指腸からの逆流を防止します。幽門腺にはG細胞が多いです。
  6. 小弯: 胃の右側で凹を示します。

胃の筋層(平滑筋)

 

胃の内側から順に3つの筋層があります。

  1. 最内斜層筋
  2. 内輪層筋
  3. 外輪層筋

 

胃は食べ物と胃液を混ぜる際、攪拌運動や蠕動運動を行います。

 

胃液の分泌機序(ガストリンの働き)

胃液の分泌は大きく3つの層で行われます。

  1. 脳層: カレーを見る、食べる、想像するなどの条件反射や視覚の刺激により、迷走神経を介して胃酸分泌が促されます。迷走神経の刺激はG細胞にも働きかけ、ガストリンが分泌されます。
  2. 胃層: 食べ物が胃に入ることで胃体が伸展し、この物理的刺激により胃液分泌が促されます。たんぱく質がガストリン分泌の刺激となり、胃液分泌を促します。
  3. 腸層: 胃から十二指腸に移動すると、十二指腸粘膜に酸や脂肪が接触し、胃酸分泌抑制物質(エンテロガストロン)が放出されます。pHが3.0以下になるとS細胞からセクレチンが分泌され、胃の運動、胃酸分泌、ガストリン分泌が抑制されます。

ちょっとした余談

空腹の状態でアルコールを摂取すると酔いがすぐ回りますよね?

 

それは、胃で水とアルコールが吸収され、即時に肝臓で分解されるためです。

 

なので、一度食べ物を入れてからアルコール摂取することをお勧めします。

小腸

小腸の構造

小腸の全長はなんと6mもあります。

  • 漿膜(腸間膜): 十二指腸では漿膜のみの一重構造で、空腸・回腸は漿膜と漿膜下組織の二重構造です。
  • 筋層(平滑筋): 外縦層と内輪層の2つです。
  • 粘膜: 小腸の粘膜は単層円柱上皮です。空腸や回腸には輪状ヒダがあり、腸絨毛が無数に存在します。空腸は吸収能力が最大で、回腸の7〜8倍ともいわれています。

小腸の運動

  1. 蠕動運動
  2. 分節運動
  3. 振子運動

十二指腸

長さは約25cm。

 

第1腰椎から第3腰椎レベルに存在しています。

 

十二指腸の粘膜には十二指腸腺(ブルンネル腺)が存在します。

 

十二指腸には大十二指腸乳頭と小十二指腸乳頭があり、それぞれオッデイ括約筋が存在し逆流を防ぎます。

十二指腸で吸収される栄養素

 

覚え方の語呂合わせは『鉄火巻』です!

 

空腸・回腸

空腸の長さは約2.5m、回腸の長さは約3.5mです。

 

ここでは、ブドウ糖アミノ酸、水、塩類、水溶性・脂溶性ビタミン、脂肪を約90%吸収します。

 

回腸ではビタミンB12や胆汁酸の吸収が特徴的です。

 

回腸には回盲弁(バウヒン弁)があり、大腸からの逆流を防ぎます。

大腸

大腸の全長は約1.4mです。大腸の運動は蠕動運動と分節運動があります。

大腸の構造

  • 盲腸: 盲腸には虫垂があり、炎症が起きると虫垂炎になります。これを調べる検査として有名なのがマックバーネー点です。
  • 結腸: 上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸があります。横行結腸とS状結腸のみが腸間膜を持ちます。
  • 直腸: 直腸膨大部や肛門管、内肛門括約筋、外肛門括約筋などがあります。

結腸の特徴

  1. 結腸膨起(結腸壁が袋状に膨らんだもの)
  2. 腹膜垂(脂肪組織が沈着した腹膜)
  3. 結腸ヒモ(外縦走筋が3か所に局在したもの)

 

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