肩こりとは?
肩こり、誰もが一度は感じたことがあるんじゃないでしょうか。
明確な医学的な定義はないんですが、簡単に言うと首や肩のあたりが「重い」「痛い」「だるい」と感じる状態ですね。
ちょっと首を回すと鈍い痛みがあったり、肩を揉むと固まった筋肉がコリコリしたり…そんな状態が肩こりと呼ばれるものなんです。
歴史を少しさかのぼると、「肩こり」という言葉が日本で使われ始めたのは明治時代と言われています。
そのころ、日本人も西洋風のデスクワークが増えて、肩こりに悩む人が増えてきたみたいです。
実際、夏目漱石の小説『門』にも「首と肩の継目の少し中へよった局部が石のように凝っていた」といった描写が出てくるんですよ。
当時から、石のように固まった肩の感じって、今と変わらずあったんですね。
ちなみに、それ以前は「肩が張る」「肩がつかえる」「肩がつまる」なんて表現が使われていたみたいで、肩こりの表現も時代と共に変わってきたんですね。
肩こりの実態
厚生労働省の平成25年国民生活基礎調査によると、肩こりは以下の通りです。
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男性:
- 1位:腰痛
- 2位:肩こり
-
女性:
- 1位:肩こり
- 2位:腰痛
多くの人々が肩こりや腰痛に悩んでいることがわかりますが、これらの症状が解消されていないことも少なくありません。
肩こりの分類
症候性肩こり: 原因疾患による肩こり。原因疾患の治療により肩こりが軽減されます。
原因疾患例:
- 整形外科: 頸椎神経根症、脊髄症、胸郭出口症候群、肩関節周囲炎など
- 循環器: 心筋梗塞、狭心症、解離性大動脈瘤
- 内科: 頭痛、高血圧、低血圧、自律神経失調
- 心療内科: 心身症、うつ病、パニック症など
- 眼科: 眼瞼下垂、眼精疲労など
- 歯科: 顎関節症、不良咬合
- 原発性肩こり: 特別な原因疾患がなく、科学的根拠がない肩こり。治療が未確立です。
特徴:
- 社会的・心理的要因が関与(仕事や家庭のストレスなど)
- 小児から高齢者まで症状を訴える(特に若年の女性に多い)
- 生活の質が低下する(特に心理面)
肩こりの病態生理
- 筋疲労
- 血液循環異常
- 神経圧迫
- 脊柱管内での脊髄または神経根の圧迫
- 椎間孔での神経根圧迫
- 神経走行中の圧迫
- 例)肩甲背神経の絞扼性末梢神経障害➡中斜角筋による圧迫
- 反射
- 内臓の病変
- 顔面諸器官の病変
- 不快感の放散➡引き金機構
肩こりの発生原因
- 筋肉の過度の使用
- 血行障害による疲労物質の蓄積、動脈硬化による肩の諸筋への血行不良
- 不自然な体位、不良姿勢、円背、なで肩、側弯など同じ姿勢を無理に長時間保った結果、血行不全を起こす
- 心理的な緊張
- 筋肉の結合識炎
- 原因疾患による二次的な肩こり
随伴症状
肩こりに伴って現れる症状を随伴症状と言います。
主な随伴症状:
デスクワーク時の肩こり危険因子
- 顎を前方に突き出した姿勢の継続(不良姿勢):
- 僧帽筋上部の血液循環障害が生じ、肩こりの誘発要因となる可能性があります。
- 運動不足による筋力低下
- 睡眠不足
- 精神的ストレス(緊張)
- 素質(家庭環境、性格、生活習慣など)
- 冷え(冬の寒さや夏の冷房)
パソコン操作時の注意点
パソコン操作により橈骨手根伸筋や総指伸筋の筋収縮による反復ストレスが上腕骨外側上顆での部分剥離や筋肉の小断裂を引き起こす可能性があります。
対策:
- 肘頭自体を外側方へ移動させた肩関節内旋位で行うことで、上腕骨外側上顆にかかるストレスを軽減させ、疼痛発生を予防できます。
肩こりは日常生活に大きな影響を与えることがあります。
正しい姿勢や生活習慣の見直し、適切な運動やストレッチを取り入れることで、肩こりの予防と解消に役立てましょう。
まとめ
肩こりは多くの人々が抱える悩みですが、その原因や対策を知ることで、日常生活の質を向上させることができます。
この記事を参考に、自分に合った肩こり対策を見つけてください。